透明水彩絵の具と不透明水彩絵の具
絵の具は小学校で必ず出会う画材です。
低学年はクレヨンやクーピー
中学年で水彩絵の具、というところがほとんどではないでしょうか
小学校で使用する絵の具は「半透明絵の具」であることが多いようです。
半透明絵の具とは、加える水の量を調整すると透明にも不透明になる万能タイプ。
中学生になると、アクリル絵の具・ポスターカラーの不透明水彩絵の具を使用します。
絵の具は色々な種類がありますが、今回は「透明水彩絵の具」と「不透明水彩絵の具」の話をしようと思います。
使い方の特徴や成分
「透明水彩」は絵の具の透明度が高いため、下の色や紙の地が透けてみえます。
そのため、重ね塗りできれいな混色を表現することができます。
※赤色の上に青色を重ねると紫色に 黄色の上に赤色をのせるとオレンジ色に といったような感じです
「不透明水彩」はその名前の通り、不透明
色を重ねても下の色や紙の地の色の影響を受けることがとても少ないです。
透明水彩はぼかしやにじみを表現することが多いので、多めの水で溶く方が使いやすいです。
絵の具はパレットに出して固まってしまっても、水で溶きながら使用できるのでパレットをその都度洗う必要はありません。
不透明水彩は重ね塗りが出来るので、少なめの水で溶き厚めに使用することが多いです。
絵の具は固まってしまうと使用できなくなるので、必要な分だけ出して使用します。
使用したパレットその都度洗います。
この違いをどれくらいの子どもたちが知っているのでしょうか。
ひょっとしたら、私の記憶がないだけで小学校の図工の時間に説明があり、中学の美術の先生が教えていてくれたかもしれません。
我が家の子どもたちは、小学校はもちろん中学で使用した絵の具のパレットを卒業までほとんど洗うことがありませんでした。
卒業と同時に持ち帰りもらい受けた道具たちはなかなかの状態になっていました。
技術の向上や創作意欲を育むということも大切ですが、道具を大切に扱う心も育ててほしかったな、といまさらながら思います。
絵の具の成分
便利な時代になり、絵の具はチューブから出せば使用できるようになりました。
絵の具は身近ではないかもしれませんが、化粧をする方は多いと思います。
化粧も「色」を使用します。
5000年ほど前 古代エジプトの時代にはかなりの化粧品が発達していたそうで、鉱物や植物から抽出された顔料や染料に脂肪や樹脂と混ぜお化粧をしていたようです。
絵の具も顔料(色)を抽出しメディウムと呼ばれる糊剤を混ぜて作られています。
水彩絵の具はアラビアゴムという天然樹脂のメディウムが使用されているのが一般的です。
アラビアゴムは水によく溶け、紙絵の接着性がとても良いのです。
色彩に光沢と輝くを加えてくれるので発色がとてもよくなります。
透明水彩と不透明水彩絵の具は顔料に同じアラビアゴムが加えられており、この2点の配合量の違いで絵の具の特性が変わってくるのです。※ホルベイン社 透明水彩

今日のポイント
透明水彩は水を多めに
不透明水彩は水を少なめに
不透明水彩はパレットも洗いましょう
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